半導体の製造には、多くの技術や装置が用いられています。ここでは、半導体のすべての製造工程をウェハ―プロセスとも呼ばれる「前工程」と組み立て、収納から出荷するまでの「後工程」に分けられます。今回はその全体を確認していきましょう。
半導体製造には20以上の工程がある
半導体製造は複雑であり、前工程と後工程を合わせると全部で20以上の工程があります。まずはすべての工程をまとめたので確認してください。半導体製造の前工程
成膜工程、露光・現象工程・エッチング工程・不純物拡散工程の前工程では、シリコンウェハーの表面にLSIチップを作ります。そのため、「ウェハープロセス」とも呼ばれており、主に物理的・科学的なプロセスを主とした微細な加工が行われます。
回路設計・パターン設計
クライアントの要望に応じて、様々な回路を組み合わせてパターンの設計をします。回路図を作って検討を重ねたうえで、効率の良いパターンを決定します。
フォトマスク設計
ウェーハの表面に回路のパターンを焼き付けるために必要なのがフォトマスクです。写真技術でいう「ガラスネガ」のようなものだといえます。
インゴットの引き上げ
多結晶をドーフ剤とともに溶解し、回転させながら徐々に引き上げることで、半導体のベースとなる「シリコンの単結晶」を作ります。
インゴットの切断
インゴットを決められているの厚さに切断します。インゴットは非常に硬いため、特殊なダイヤモンドブレードを使用します。
ウェーハの研磨
ウェーハを研磨し、鏡面状にしていきます。この作業を行うことで、回路パターンの品質を保つことができます。
ウェーハの酸化
回路パターンを焼き付けるために、ウェーハに酸化膜を形成します。ウェーハを高温の拡散炉に入れ、酸素やオゾンなどを含む「酸化性雰囲気」にさらしていきます。
フォトレジスト塗布
フォトレジストという感光剤を、ウェーハの表面に薄く均一に塗布していきます。こうすることで、ウェーハに感光性を持たせます。
ウェーハ表面にパターン形成
フォトマスクを介してウェーハの表面に回路のパターンを焼き付けます。レンズを使用することで、極小に焼き付けていきます。
エッチング
エッチングをして、不要な酸化膜を取り除きます。また、それに合わせていらないレジストも除去していきます。
酸化・拡散・CVD・イオン注入
ウェーハに必要なイオンを注入することで、素子を作ります。こうすることで、シリコンが出ている部分のみが半導体になります。
平坦化(CMP)
ウェーハの表面を研磨します。これによってパターンの凹凸がなくなり、平坦化されます。その後、フォトレジスト塗布から平坦化までの作業を繰り返します。
電極形成
ウェーハの表面に電極配線用のアルミ金属膜を作ります。不活性ガスプラズマにより、アルミターゲットをスパッタリングします。
ウェーハ検査
たくさんの回路パターンができたウェーハを、チップごとに検査します。その結果に応じて良品と不良品に分け、不良品にはマークを付けておきます。
半導体製造の後工程
後工程では、ウェハー上に作成したLSIチップを切り出してパッケージ化します。
その後は様々な検査を行い、品質を確かめたうえで商品として出荷します。
ウェーハのダイシング
ダイヤモンドブレードを使ってウェーハを切断します。このとき、検査に合格した良品のみをチップとして使用します。
チップのマウンティング
チップをリードフレームの所定の位置に付けます。ズレることのないように、しっかりと固定します。
ワイヤーボンディング
チップとリードフレームを、ボンディングワイヤーで固定します。高い精度が要求される、スキルが必要な作業だといえます。
モールド
セラミックやモールド樹脂を用いてパッケージし、チップを衝撃などから守ります。
トリム&フォーム(脚切り成型)
金型を用いて、リードフレームからそれぞれの半導体製品を切断します。その後、外部リードを成型します。
バーンイン(温度電圧試験)
バーンインボードにパッケージをセットすることで温度と電圧の試験を行い、初期不良のある製品を取り除きます。
製品検査・信頼性試験
次に、製品検査と信頼性検査を行います。具体的には、電気的特性検査や外観構造検査などを行います。
マーキング
すべての試験をクリアした製品に、レーザーで品名などを印字します。これで、半導体の完成です。
ウシオライティングは「露光装置」で半導体製造を支えています。
半導体製造において欠かせない装置の1つが、露光装置です。
露光装置は光を照射することでパターンを板面に焼き付ける装置で、半導体製造のほか、マイクロデバイスやLED、LCD、太陽電池、プリント基板などの製造にも用いられます。
ウシオライティングでは各種露光装置を販売していますので、露光装置をご購入の際にはぜひご検討ください。
ウシオライティングの各種露光機、検査装置などはこちらをクリックしてください。