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自動車、食品、部品・・・製造業に共通する工場自動化のメリット・課題

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2020/10/02

自動車、食品、部品・・・製造業に共通する工場自動化のメリット・課題
製造業の工場自動化とは、製品の製造を一貫して機械・機器が自動的に管理して行うことであり、オートメーション化とも呼ばれます。
現代は自動車産業や食品製造業など、さまざまな工場で自動化が一般的になっています。ここでは多様な業種や工場での自動化について、メリットとデメリットを紹介します。

製造業における生産ラインの自動化(ファクトリーオートメーション)とは

製造業における工場の自動化は、すでに早い段階からさまざまな業種に広がりました。また、近年のITやAI技術的な発展も影響して、今後はさらに普及が進むと予想されています。 工場の生産ラインで自動化が進む理由には、主に以下の3つが考えられます。

・国内海外を問わず人件費が高騰している
・特に国内では慢性的な人手不足が進んでいる
・経営合理化のため生産性の見直しが必要

これまでの製造業は海外の安価な人件費を頼りにしてきましたが、各国の経済発展により総じて人件費が高騰しています。 また国内では働き方の多様化によって、生産ラインを構成する人員の不足が慢性化しています。 これらの現状から多くの業界では経営合理化が急務となっており、製造業では改めて工場の自動化が検討されているのです。

外部的な要因のほかに、積極的に工場の自動化を進めるケースもあります。その一つは利益を最大化するために、工場の生産性向上や製品品質の安定性を高めることです。 さらに人的な要因や作業方法によるマイナス要素を排除して、生産性を向上させる目的で自動化を進める場合もあります。 いずれにしても現代の企業は経営の合理化を進めながら、工場での生産性向上を目指すため、自動化を視野に入れた構造改革が活発になっているといえるでしょう。

製造業に共通する自動化のメリット

自動車工場や部品工場、食品工場や飲料工場などでは、以前から自動化が進んできました。そこで今後、製造業で自動化を進めるメリットについて考えてみましょう。 工場自動化のメリットを、項目ごとに簡潔に紹介します。

1.作業の省力化

自動化では生産の大部分をロボットが担うことになります。これによって従来の単純作業を行っていた作業員を減らすことができるため、作業の省力化が可能になります。 また人件費を大幅に削減できることから、製造コストの引き下げや利益率の改善など二次的な効果も見込めます。過酷で危険な労働環境だった場合、自動化によって労働環境が改善するというメリットもあります。

2.生産性の向上

産業用ロボットは作業スピードが一定で、計画通りに製品の製造を進めることが可能です。また人間と違って24時間フル稼働も可能なので、大幅な生産性の向上も見込めます。 現在はAIを使った「ロボットビジョンシステム」も登場しており、製品の品種識別や画像検査、ロボットへのティーチングなども自動化できるため、より効率的な生産ラインを構築することができます。

3.品質の向上

産業用ロボットを導入することで、人的なミスのリスクを下げられます。製造ミスを最小限に抑えることで、作業の品質や製品の品質向上と安定化を同時に図ることができます。製品の検査に関しても、ロボットビジョンシステムを導入すれば、全数検査まで自動でこなすことが可能になります。

4.多品種・多工程への対応

現在の産業用ロボットは汎用性がアップしており、プログラムを変更すれば多品種・多工程製造にも容易に対応できます。 そのため専用の装置を揃える必要がなく、製造工程のコストダウンが可能です。 AIの進化により、画像で製品を識別しながら、自動で最適なプログラムを選択するなど、さらに効率的なシステムも登場しています。

製造業に共通する自動化への課題とデメリット

どんな物事にもメリットがあれば、逆にデメリットもあります。工場の自動化にもやはりいくつかの課題があります。それらについて、最後に紹介します。

1.導入コストがかかる

人件費を減らせる反面、産業用ロボットシステムの導入、メンテナンスなど自動化にはかなりのコストを投資しなければなりません。 工場の規模にもよりますが、自動化に移行する場合の初期投資と、設備の故障やトラブルに対してかかるコストなどを合わせると、まとまった額の設備投資が必要になるでしょう。

2.完全自動化は難しい

自動化システムの調整やメンテナンスなどは、ロボット自身に任せることはできません。製造そのものは自動化できても、必ずどこかで人の手が必要になるという課題も残ります。 ただし現在ではロボットビジョンシステムなどにより、徐々に完全自動化にも近づきつつあります。

3.管理専門の人材が必要になる

産業用ロボットシステムには、高度なAIプログラムが搭載されています。これらを管理するためには、専門の知識を持った担当者が必要になります。 こうした人材は企業が自社で育成して常駐させるか、トラブル時やメンテナンス時に外注に依頼して確保しなければなりません。 しかし自動化前と比較すれば、人員コストは間違いなく大幅に圧縮できるでしょう。

工場自動化の流れはさらに加速する

以前から完全に自動化に移行していた自動車産業などに加えて、今後はITやAIの進化に合わせ、さまざまな業界で製造工場の自動化が進むと考えられます。
現状ではいくつかの課題も残されていますが、日本が抱える人材不足や少子高齢化問題を考えると、自動化への流れが止まることはないでしょう。 私たちの仕事に対する考え方も、大きな転換期を迎えているのかもしれません。
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