プラスチックは私たちの生活に欠かせませんが、地球環境に悪影響を与えてしまうのが問題視されています。
そこで地球環境にやさしいプラスチックとして注目を浴びているのがバイオプラスチックです。
ではなぜバイオプラスチックが地球環境にやさしいのか、バイオプラスチックを使った製品はどんなものがあるのか紹介していきます。
バイオプラスチックの特長
バイオプラスチックは「生分解性プラスチック」と「バイオマスプラスチック」の2種類の大きく分かれます。
いずれも資源を枯渇させず、二酸化炭素排出量も削減できるのが特長です。
生分解性プラスチックは、自然界の微生物により分解できるため、使用後は自然界へ還っていきます。
また、バイオプラスチックは通常のプラスチックと異なり、植物などのバイオマス資源を主原料にして作られています。
バイオマス資源は石油などの化石資源と異なり、焼却した場合でも大気中の二酸化炭素濃度を上昇させることはありません。
どちらも使い終わって廃棄する際に地球環境を汚さないクリーンなプラスチックなのです。
また、プラスチックを廃棄することで海洋環境の悪化も問題視されていますが、バイオプラスチックならそもそも海洋に廃棄することもありません。
バイオプラスチックを使えば、特定の物質だけが一方的に増えていくことがなく、自然界で上手く循環していきます。
バイオプラスチックを使った製品
バイオプラスチックを使用している製品を紹介していきます。いずれも地球環境に優しく、実用性も兼ね揃えた製品ばかりです。
ナチュラルパック5
ナチュラルパック5は食品や雑貨品などに使用される包装材で、新生紙化工業で製造されています。
ポリ乳酸という植物由来原料を使用しており、高い柔軟性が特長です。
生分解性にも優れているため、地球環境に悪い影響はほとんど与えません。
エスコンミニシリーズ
エスコンミニは、三機工業で製造されているアルミ製の軽搬送ベルトコンベアです。
プラスチック部分にバイオプラスチックを使用しています。
通常の軽搬送ベルトコンベアを使用する場合と比べて、二酸化炭素の排出量を約20パーセント削減できるのが特長です。
消費電力も従来の製品と比べて約25パーセント少なくて済みます。
部品には素材名が刻印されており、リサイクルしやすい作りになっているのも特長の1つです。
さらに有害6物質を含まないなど、地球環境にやさしい作りになっています。
エコスターチ
エコスターチはバイオシナジーで製造されているバイオプラスチックで、廃棄する際に発生する二酸化炭素を大幅に削減可能です。
その削減量は最大で約75パーセントにも上ります。
さらに、通常の石油樹脂と同じ設備で製造できて、同程度の価格で提供可能という点も特長に数えられるでしょう。
食品衛生法にも適合しているため、食品保存容器などにも使用できます。
バイオプラスチック「MAPKA(マプカ)」の特長と使われている製品
MAPKA(マプカ)は古紙を主原料として使用している非生分解性のバイオマスプラスチックです。
マプカを製造する際には古紙を粉砕し、パウダー化してから合成樹脂を混ぜます。
そして押出機を使用して均一化することでマプカが作られます。
通常のプラスチックと同じように射出形成やシート形成なども可能です。
製造設備に関しても、通常のプラスチックと同じ設備を使用できるためコストの増大を抑制できる可能性が高いのも特徴の一つです。
価格競争にも負けないということで、従来のプラスチックの代替品として注目を浴びています。
耐熱性が強く低収縮で高剛性などの特長も持ち合わせており、幅広い用途に使用できるでしょう。
プラスチック製品などを製造する際に、原料を通常のプラスチックからマプカに切り替えれば、地球環境保護に大きく貢献できると期待されています。
マプカを使用している製品としては、食器や食品パッケージ、精密部品、文房具類など多岐にわたります。
衛生的で耐熱性に優れているため食器の素材に使いやすく、電子レンジで使用可能な食品容器も製造することができます。
膨張しにくく収縮率も低いことから、電気製品などに使用する小さな精密部品にも使用可能です。
さらに剛性にも優れていることから、プロペラやファンなどの素材にも使用されます。
振動や音に対しても減衰特性があり、騒音や振動が発生しやすい機械の部品などにも適しているでしょう。
家電のケージングや反響ボードなどに最適です。
地球環境保護に役立つのに加えて、騒音や振動も和らげて快適に使用できます。
バイオプラスチックの可能性は幅広い
プラスチックは非常に便利で、私たちはこれまで多くのプラスチック製品を使用してきました。
しかし、プラスチックの使用は石油資源の枯渇や地球温暖化などの問題を引き起こします。
「マプカ」をはじめとするバイオプラスチックなら、大気中の二酸化炭素濃度を増加させず、化石燃料もほとんど使いません。
これからは従来のプラスチックから、バイオプラスチックへ切り替え、地球環境にやさしい製品を使っていきましょう。