使用済みのプラスチックが海洋に流れ出ていることが、世界的な規模で問題化しています。
こうした海洋プラスチックは、地球環境に悪影響を与え、生態系を破壊しつつあるため、解決の糸口を探らなければなりません。
そこで注目を浴びているのがバイオプラスチック
「MAPKA」です。
ここでは海洋プラスチック問題と、「MAPKA」について解説していきます。
海洋プラスチック問題の全容
プラスチックは我々が生活する上で、なくてはならないものです。
食べ物や飲み物などの容器には、たいていプラスチックが使用されています。
通販で物を買ったときに使用される緩衝材も、ほとんどがプラスチック製です。
プラスチックを一切使わずに過ごせる日というのはほぼないでしょう。
プラスチックは安価なコストで作れて丈夫であることから、手軽に使用できるのです。
そして不要になったプラスチックは、簡単に捨てられてしまいます。
不要になったプラスチックが適切にリサイクルされていれば、大きな問題はありません。
しかし、実際のところ日本国内で消費されるプラスチックのうち約7割は、リサイクルされずに焼却、廃棄されています。 廃棄されたプラスチックが自然環境の中に流出すると、河川などに入り込むことが多いです。 河川は海に向かって流れているため、最終的には海に行き着きます。
こうして捨てられたプラスチックは海に集まっていくのです。
プラスチックは人工的に作ったものであるため、自然界では微生物などにより分解されることはほとんどありません。
そのため、海に集まったプラスチックはどんどん溜まっていくのです。
1年間で海に溜まるプラスチックの量は、約800万トンにも上ります。
そして、現在海に溜まっているプラスチックの総量は約1億5,000万トンです。
800万トンや1億5,000万トンと聞いて、ピンとこない人もいるかもしれません。
想像もつかないくらい大量のプラスチックが、海に溜まっていると認識しておくといいでしょう。
そして海洋プラスチックが溜まることで、生態系に悪影響を与えると懸念されています。
プラスチックは製造過程で有害物質を含むものもあり、海中で有害物質を吸着することも多いです。
また、海に流されていく過程で砕かれて、マイクロプラスチックという小さな粒子になることもあります。
有害物質を含むマイクロプラスチックが海中に生息する生物の中に取り込まれてしまうこともあるでしょう。
また、大きなプラスチックは海中の生物の身体に絡みついてしまう可能性もあります。
大阪G20でも、主要テーマとして海洋プラスチックの問題が取り上げられました。
首脳宣言で「大阪ブルーオーシャンビジョン」が共有されました。
これは、2050年までに新たな海洋プラスチックをゼロにして、これ以上増やさないようにするという内容です。
これを実現するためのものとして、バイオプラスチックが注目されています。
バイオマスプラスチックが海洋プラスチック問題にアプローチできる理由
なぜバイオマスプラスチックが海洋プラスチック削減に繋がるのかその理由について説明していきます。
それと併せて、バイオマスプラスチックの一種であるMAPKA(マプカ)についても見ていきましょう。
バイオプラスチックが有効な理由
バイオマスプラスチックとは、石油などの化石資源を使用せず、植物などを原料としているプラスチックのことです。
主にトウモロコシや小麦、ジャガイモ、豆類、藻類などから作られます。
また、バイオプラスチックとは、バイオマスプラスチックに生分解性プラスチックを加えた分類です。
生分解性プラスチックは、原料にかかわらず、自然界で微生物により生分解されるプラスチックを指します。
海洋プラスチック問題の主な原因は、海洋内にプラスチックが半永久的にとどまってしまうことです。
しかし、自然界で生分解されるのであれば、海に流れ出ても半永久的にとどまることはありません。
そのため、海洋プラスチック問題の解決に繋がります。
MAPKA(マプカ)の特長
MAPKAは紙パウダーを主原料として作られているバイオマスプラスチックです。
通常のプラスチックを製造する際に用いられるのと、ほぼ同じ成形方法で製造できるので、プラスチックの代わりとして使用できます。
その上で、不要になったときには紙製品と同じようにして焼却処分可能です。
埋立処理することもないため、海洋に流れ出ることはありません。
MAPKAは衛生的で耐熱性にも優れているので、食品用のトレイとしても使用できます。
電子レンジでも使えるので便利です。
食品用のトレイは、各家庭から毎日のように使用済みのものが捨てられるでしょう。
これが通常のプラスチック製のものから、
MAPKAに代わるだけで、海洋プラスチック問題の解決に繋がります。
プラスチック対策は世界のトレンド
海洋プラスチック問題はかなり深刻で、このままプラスチックを使い続けると、生態系も破壊されてしまいます。
一方で日本は諸外国と比べてプラスチックの消費量が多く、1人あたりのプラスチックごみが世界2位です。
海洋プラスチック問題解決に関して、積極的に取り組んでいなかければなりません。
そのためには、バイオプラスチックを普及させることが大切です。