Q.ショップが持つ雰囲気やテイストを表現しつつ、商品の色や素材感もしっかり伝えるには、どんな照明手法が効果的なんだろう?
A.ショップが持つアイデンティティーやイメージ、そして空間に合わせた光の配置が大切。大型店舗の照明プランを例にあげて、いくつか紹介しよう。
①店舗空間全体の光
ベースダウンライトとユニバーサルダウンライトで構成した場合
ベース照明で空間全体の基本的な明るさを確保し、さらに強調する商品のためにユニバーサルDLで照射。ダウンライトを使用することですっきりした印象の空間になります。
ユニバーサルダウンライトだけで照射した場合
基本的な照度を取らず、ユニバーサルDLだけで照射。商品や什器を強調し、メリハリの利いた印象の空間になります。
②壁面什器の光
棚照明+ユニバーサルダウンライト
壁面を背負う什器でよくあるタイプは、上段がディスプレイになっていたりビジュアル的な演出がされています。そのような場合、天井の灯数を減らすため、天板を利用してミニダウンライトで照射し、ハンガー商品に対してはユニバーサルDLであて込みます。配光によっては壁面の明るさも確保できます。
ライン照明(天井掘り込み)+ユニバーサルダウンライト
間接照明を仕込む理由の1つとして、視覚照度の確保があげられます。この視覚照度の確保は、人が明るさを感じる情報としてとても大切な演出です。さらにその演出で、商品にも好影響があれば一石二鳥。
ライン照明(アッパー間接照明)+ユニバーサルダウンライト
什器の奥がバックヤードになっている場合は、店内側との照度差から、奥面が暗く見えてしまいがちです。そんな時は、天板を利用したアッパーの間接照明を仕込むことで、天井面のつながりの暗さを解消することができます。
補足壁面什器の光
棚の面から照射角度30°くらい取った所が理想的な配灯位置。それ以上の角度になると光源を背負ってしまうので自分の影が商品に落ちてしまいます。
③ディスプレイ(ボディ)の光
ディスプレイのボディに対しては、できるだけ胸元に光が入るような距離を取るようにするとキレイに照射できます。
バックの壁面もいろいろな手法で演出できますが、今回はアッパーの間接照明で光のグラデーションを演出。
ショップや商品の魅力を伝えるにも、その空間や目的にあった光の配置が大切なんですね。
器具の特性や照射角度、間接照明の手法を知ることで魅力的なショップづくりにつながるんだ。
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